
光回線の乗り換え方法を初心者にもわかりやすく解説。新規契約、転用、事業者変更の違いや手順、メリット・デメリット・注意点をまとめました。

サイバーバード
私は実際に楽天モバイルのRakuten最強プランを契約して利用しています。(2020年4月15日から契約中)
その実体験をもとに、通信速度・利用可能エリア・海外ローミングなどを自ら検証しています。単なるアンケートや口コミを集めた「エアプ」情報や外注WEBライターのコタツ記事ではない、契約者としてのリアルな使用感を踏まえて解説しています。

光回線の乗り換え方法は3つ
手続き種別 | 主な対象 | 工事の有無 | 費用負担 | 手続きの流れ |
---|---|---|---|---|
転用 | フレッツ光 → 光コラボ | なし | 無料 | ①NTTで番号取得 ②新事業者に申し込み |
事業者変更 | 光コラボ → 光コラボ | なし | 手数料のみ | ①現事業者で番号取得 ②新事業者に申し込み |
新規契約 | 新規・設備変更 | あり | 工事費あり(無料特典あり) | ①新規申し込み ②開通工事 ③開通 |
【転用】フレッツ光から光コラボ(例:SoftBank光・ドコモ光など)へ乗り換える
現在「フレッツ光」を利用している場合は、工事不要でそのまま回線を引き継げる「転用」という手続きが使えます。契約先をNTTから光コラボ事業者に円滑に変更するための手続きのことです。
NTT東日本またはNTT西日本で「転用承諾番号」を取得し、新しい事業者(例:SoftBank光)の申し込み時に入力するだけで完了します。転用の場合、NTTの月額利用料割引サービスの解約金は発生しません。
転用のポイント
- 工事不要で、切り替え日も自動で移行される
- 通信が途切れる時間がほとんどない
- 現在の回線設備をそのまま使うため、工事費がかからない
- プロバイダを変更する場合は設定変更が必要になることもある
【事業者変更】光コラボから別の光コラボへ乗り換える
すでに「光コラボ(例:ドコモ光、SoftBank光、OCN光など)」を利用している場合は、別の光コラボ事業者への乗り換えが「事業者変更」にあたります。現在の事業者から「事業者変更承諾番号」を取得し、乗り換え先の申し込み時に入力します。
事業者変更のポイント
- フレッツ光同様、工事は不要
- 番号の有効期限は15日間
- 手続きはすべてオンラインや電話で完結可能
- 現在のプロバイダが変わるとメールアドレスが使えなくなる場合もある
【新規契約】まったく新しい回線を引く方法
現在利用中の光回線を解約し、新たに別の光回線を新設する方法です。「転用」や「事業者変更」ができないケース(建物の設備が異なる・エリア外など)ではこの方法になります。
新規契約のポイント
- 新たに回線工事が必要(開通まで1〜2週間程度)
- 初期費用(工事費・事務手数料)が発生する
- 乗り換え先で「工事費実質無料」キャンペーンを活用するとお得
- 解約と新規のタイミングを調整しないと通信が一時的に使えなくなる場合がある
光回線の乗り換え手順を解説
転用の場合
NTTの「フレッツ光」から光コラボ回線(例:SoftBank光、ドコモ光など)へ切り替える方法です。回線設備が同じため、こちらも工事不要で乗り換え可能です。
- お客様IDまたはひかり電話・ひかり電話ネクストの電話番号など、フレッツ光・ひかり電話ネクストの契約者名と利用場所住所、支払い方法を準備する
- NTT東日本・西日本のサイトまたは電話で「転用承諾番号」を取得(有効期限は15日)
- 乗り換え先の光コラボ事業者(例:SoftBank光)に申し込む
- 契約内容・切替日を確認
- 転用日に自動で新回線に切り替え
- ONUやルーターを接続して通信を確認
- レンタルしていた物があるなら返却する
※転用後はフレッツ光が自動的に解約されますが、プロバイダ料金の解約手続きが別途必要な場合があります。
事業者変更の場合
現在の光コラボ(例:ドコモ光、ビッグローブ光など)から別の光コラボ回線へ乗り換える方法です。同じNTT回線を利用するため、工事不要でスムーズに切り替えられるのが特徴です。
- 現在の光コラボ回線から「事業者変更承諾番号」を取得(有効期限は15日)、利用中のオプションサービスを確認する
- 乗り換え先の光コラボ回線に申し込む(事業者変更承諾番号を入力)
- 契約中のコラボ事業者と変更したい光コラボ事業者の間で手続きが行われる
- 事業者変更日(切替日)に自動的に新回線へ切り替え
- ルーターの設定を変更して利用開始
- レンタルしていた物があるなら返却する
※工事は不要ですが、機器設定やオプションの再設定が必要な場合があります。
新規契約の場合
新しい光回線を完全に別契約として申し込む方法です。今使っている回線とは別の新しい回線を引き込む形になるため、開通工事が必要になるケースが多いです。
- 利用したい光回線(例:SoftBank光、ドコモ光、auひかりなど)を探す
- 対応エリアの確認を行う
- 公式サイトや代理店から申し込みを行う
- 契約に必要な書類のやり取り、SMSで送られてくるURLから本人確認書類のアップロード、支払い方法の登録などを行う
- 開通工事の日程を調整
- 工事完了後、新しい回線で接続を確認
- 旧回線を解約(プロバイダを含む)、レンタルしていた物があるなら返却する
※開通と解約のタイミングがずれると、二重請求になることがあるため注意が必要です。
光回線を乗り換えるメリット
月額基本料金が安くなる可能性がある
光回線の料金相場は、戸建てで月5,000〜6,000円前後、マンションで約4,000円前後が一般的です。同じNTT回線を利用していても、契約する事業者によって料金や特典が異なります。
特にフレッツ光はプロバイダを別契約する必要があるため、トータルコストが高くなりやすいのが特徴です。一方、光コラボ(SoftBank光・ドコモ光・OCN光など)へ転用するだけで、毎月の支払いを抑えられるケースも多く、通信品質や提供エリアも変わらず利用できます。
光回線は2〜3年単位で契約するのが一般的です。仮に月額料金が500円安くなれば年間6,000円、1,000円安くなれば年間12,000円、3年間で36,000円もの節約になります。また、不要なオプション(セキュリティソフト・光電話・リモートサポートなど)を見直すことで、さらに月額コストを下げることも可能です。
インターネットの通信速度がこれまでよりも速くなる可能性がある
光回線を乗り換えることで、インターネットの通信速度がこれまでよりも速くなる可能性があります。
現在利用している回線が古いプランや設備を使っている場合、新しい光回線に切り替えることで、最新の通信規格に対応し、より安定した高速通信を実現できるケースがあります。たとえば、従来の「フレッツ光ネクスト(最大1Gbps)」から「フレッツ光クロス(最大10Gbps)」や「SoftBank光 10ギガ」などの上位プランに乗り換えると、理論上は10倍の通信速度が期待できます。
また、同じ光回線でも、プロバイダや接続方式によって速度は大きく変わります。特に「IPv6 IPoE方式」に対応した回線を選ぶことで、混雑しやすい時間帯でも安定して高速通信が可能になります。古い契約のまま「IPv4 PPPoE接続」を利用している場合は、乗り換えを機にIPv6対応プランへ切り替えるだけでも体感速度が改善することがあります。
月額料金割引やキャッシュバックなどのお得なキャンペーンが利用できる
光回線を乗り換える最大のメリットの1つが、月額料金割引やキャッシュバックなどのキャンペーンを活用できる点です。
多くの事業者は新規・乗り換えユーザー向けに「工事費実質無料」「数万円規模のキャッシュバック」「数カ月間の月額割引」「他社違約金の補助」などのキャンペーンや特典を用意しており、初期費用と毎月の固定費の双方を抑えられます。
特にキャッシュバックは受け取り条件や手続き期限が細かく定められていることが多いため、申込窓口(公式・代理店)ごとの特典内容、適用条件、申請方法、受取時期を必ず比較・確認してから申し込みましょう。
スマホとのセット割が利用できるようになる可能性がある
光回線を乗り換えることで、スマホとのセット割が利用できるようになる可能性があります。
多くの通信キャリアでは、自社スマホと指定の光回線をまとめて契約することで、スマホの月額料金が割引される「セット割」を提供しています。たとえば、ソフトバンクでは「おうち割 光セット」、ワイモバイルなら「おうち割 光セット(A)」があります。
セット割は、1回線あたり毎月1,000~1,650円ほど安くなるのが一般的で、家族で複数回線を利用していれば合計数千円単位の節約になります。
特に、現在フレッツ光などのプロバイダ別契約型サービスを利用している場合、光コラボ(SoftBank光、ドコモ光など)に乗り換えることで初めてセット割の対象になることがあります。通信品質や提供エリアはほとんど変わらず、回線そのものは同じNTT網を使っているため、乗り換えによる使い勝手の変化は少ないでしょう。
光回線を乗り換えるときの注意点
違約金や工事費の残りの支払いを求められる
光回線を乗り換える際には、契約中の回線で違約金や工事費の残債が発生する場合があります。特に注意が必要なのは「契約期間の縛り」があるプランや、「分割払いで工事費を支払っている途中」です。
2年または3年契約の途中で解約する場合、契約更新月以外の解約には違約金・中途解約金が発生することがあります。
初期工事費を分割で支払っていた場合、残りの分割分は一括で請求されるのが一般的です。これは「転用」や「事業者変更」であっても、NTTや旧プロバイダから直接請求されることがあります。
たとえばNTT東日本のフレッツ光では、「にねん割」を利用中の人が更新月(利用期間満了月、その翌月および翌々月の3ヶ月間)以外で解約した場合、中途解約金(戸建て向けサービス:4,950円、集合住宅向けサービス:1,650円)の支払い、初期工事費の残額の一括支払いが求められます。
解約や工事のタイミング次第では、インターネットが使えない期間がある
光回線を乗り換える際は、解約や工事のタイミングによってはインターネットが使えない期間が発生する場合があります。特に「新規契約」での乗り換えでは、旧回線の解約日と新回線の開通日が重ならないと、数日〜1週間ほど自宅でネットが利用できない空白期間が生じることがあります。
「転用」や「事業者変更」であれば工事不要で切り替えられるケースが多く、同じNTT回線を使うためネットが止まるリスクはほとんどありませんが、引越しや設備変更を伴う場合は注意しましょう。
引っ越しシーズン(3〜4月、9〜10月など)は申込や工事の予約が集中するため、開通までの待ち期間が通常より長引くことがあります。新規契約では2〜3週間先まで埋まるケースもめずらしくなく、工事枠の再調整でさらに延びる可能性もあります。できるだけ早く申し込むといいでしょう。
電話番号やひかりTVなどが使えなくなる可能性がある
光回線を乗り換える際には、電話番号やテレビサービス(ひかりTVなど)が使えなくなる可能性があります。特に、NTTの「ひかり電話」や「フレッツ・テレビ」を契約している場合、回線の切り替えと同時にサービス提供元も変わるため、自動的に解約扱いとなるケースがあります。同じNTT回線を使う「転用」や「事業者変更」であっても、オプションがSoftBankや他社の提供へ切り替わるタイミングで、一時的に利用できなくなることがあります。
電話番号については、NTT発番の番号であれば基本的に引き継ぎ可能ですが、光コラボや他社独自発番(光電話番号など)の場合は引き継げないこともあります。
利用しているオプションがある場合は、転用や事業者変更をするとどうなるか、契約元はどこかを確認しておきましょう。